So-net無料ブログ作成

俺節 第二部【書き起こし⑩】 [∞舞台]


俺節 第二部 書き起こし⑩



みれん横丁に戻ったコージの元に

北野がやって来た



北:実はな、ちょっと見てもらいたいものが

  あるんだ。

  おい、大橋!

住:巨泉か?



大橋巨泉…私は分かります。

これ、後々にも続くボケなので

分かる年代でよかった!と思ったよ(笑)



明らかにコージを見ながら


北:曲も詞もオキナワが書いた。

  もらってほしいやつがいるんだが

ええ?

北:ほら

いや、おら、受取れねべさ。

おら…いろいろあって、その、

こういうのは今いただいちゃ

北:どういう事情があるが知らねえがな。

  さあ、いっぺん見てやってくれ

だども、おら



渋っているところに

ギターをかき鳴らしながら

オキナワがやって来た



なに、もったいぶってんだよぉ!?

かっこつけずにさっさと受け取れ!

この田舎もん

オキナワ…

よっ!噂じゃデビューが

無くなったらしいじゃねえか

耳がはええな

テレサは?

故郷(くに)に戻ったよ

そう

うん

なら諸々、ちょうどいいわけだ

へ?

お前がなーんもかんもよぉ、

夢も希望も女もプライドも

なーんも無くなったら

俺とちょうどよくなると思ってたよ

北:ほらよ



北野がオキナワを促す。

コージに曲を見せるのだ



気軽な気持ちで見るなよ。

俺の想い、全部乗せたからな

じゃあやっぱり見ねえ

住:ええ?

そんな想い、背負えねえよ

いや、ちょっとくらい見ろよ

ちょっとも見ねえ

イントロだけでも見ろよ

勘弁してけろ



オキナワが見せようとするのから

コージは逃げ回る



帰ってけれ!

ここは元々、俺の横丁だよ

おらぁ、よけいなもの捨てて

自分だけんなって…

なのに自分のことだけでも

重荷に感じてるんだ。

今さら新しいものを

背負いこむことなんて

どうした?

おっかねえんだ



聞く耳を持たないコージに

オキナワは自分の想いが

思うように伝わらなくて

コージに詰め寄っていった



え?

オキナワが突然、

コージに殴りかかった

情けねえこと、言ってんじゃねえよ

おっかねえんだって

そう言いながら

コージもオキナワに殴りかかる

そういう顔するときのほうが

好きだぜ

見ねえからな

見ろよ

いやって

見ろ、こら

自分で歌えばいいべしゃ

俺じゃダメなんだよ。

どんだけ思いを込めて書いた曲も

俺一人じゃ客の心に届かない。

俺はなあ、

誰かの助けを借りないと

自分の想いを伝えられないんだ。

なあ、

北野のおっさんも言ってたろ!?

歌は

自分自身でなければならないっ!

それを否定されたら

自分の全てが否定されるような、

そんな歌を歌え!って。

北:そんなことは言ってない

住:言ったよ

住:言ってましたよ

北:じゃあ、言った!

これが伝わらなかったら

自分の全てが否定されるような、

そんな歌を書いた。

なのに

歌う前から否定しないでくれよ



ここまで言われても

コージは首を縦に振らない。

ひれ伏して頑なになっている



堪忍してけろ

こっちはもう吐いたゲロだ。

今さら飲み込めねえからな。

これは置いていく



伏しているコージの背に

歌詞を書いた紙を乗せ

オキナワは立ち去っていった



住:どうすんだよ?コージ

北:オキナワに言われたよ。

  俺とお前はよく似てるって。

へ?

大:奇遇だな。俺もコージと俺は

  同じだと言ったことがある

北:おお、そうか。

  それじゃ大丈夫だな。

  どっちに転んでも

  歌は捨てない。存分に悩め。

  はー、なんだか

  急に腹減ったな。

  超美味い馬、

  食わせる店があるんだ。

  行くか?

  動物愛護協会から苦情が来るほど

  食うぞ






大橋巨泉が

馬主でもあったことに掛けての

このギャグは私のお気に入り。

原作の時代に

実際に活躍していた人と

そのエピソードが

台詞に盛り込まれているので

お芝居がちゃんと

時代を映していて

リアリティが増す





オキナワの作った歌を

歌う、歌わない。。。

オキナワの迫力ある声と想いに対し、

言葉は多くないけど

簡単には気持ちを変えないコージ。

頑固者だ

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

俺節 第二部【書き起こし⓽】 [∞舞台]


俺節 第二部 書き起こし⓽



テレサは入管に足止めのまま。

取り調べ態度がいいので

一つだけ要望を聞いてもらえた



演歌を聞きたい

テレサが口ずさんだのは

『北国の春』

歌詞の意味を知らない時から

好きでした。

この歌、だって

歌詞とかメロディーとかじゃなく、

気持ちが飛んできたんです。

私、

あの人が歌ってる時の気持ちを

好きになったんです。

男1:あの人?

男2:千昌夫だろ

気持ちは私の気持ちでした。

でもどうして私の気持ちが

あの人の中から

出てきたんでしょうか?

男2:千昌夫の連絡先、

  分かるか?



テレサの望むことを

かなえてあげたい、

そう思わせるものが

テレサにあるのが

よく分かる場面でした



そして、

こんなシリアスな場面にも

千昌夫で小ボケ…

好きです(笑)






♪好きだとお互いに

言い出せないまま♪

みれん横丁に住人の声が響く。

歌声は物悲しくて、

歌詞にも場面にもよく合っていて

泣きそうになる



住人:あれ?大野の旦那じゃないか?

大:ちょっとの間に

  ずいぶんさびれたなあ

住:何言ってんだよ。

  前からさびれてたよ

大:いやあ、

  賑やかだった気がしてたけどなあ

住:ま、人は減ったな

住:こんなところにも

  地上げ屋が来てよお。

  立ち退け立ち退けで

  このざまですよ

大:そうか、そいじゃ

住:用があるんじゃないのか?

大:あ?あああ

住:旦那は旦那で

  景気悪そうな顔、

  してるぞ

大:仕事、紹介してくれねえか?

住:参ったなあ。

  旦那がそんな言葉、

  吐く日が来るとはなぁ

住:しかも同じタイミングでなあ

大:カラオケマシンには

  適いませんわ。

  え?同じタイミング?

住:さっき、

  コージも帰ってきたから

大:コージがいるのか?

いるよおー



舞台下手でコージは

ゴミの山に埋もれていた。

手足を伸ばしてごみをはねのけ

むくっと顔を出し、

よろけながら立ち上がった



大:なんだ?お前

デビュー、無くなりますた。

大:え?なんでだよ

住:スポンサーの社長を

  殴ったってさ

住:そういうやつには

  見えなかったけどな

もう終わりです。

デビューも無く、

テレサもオキナワもいなくなった。

残ったのは冴えない仲間と

落ちぶれた師匠だけですよ。

大:失礼なこと、言うな。

僕の人生、終わりです。

住:ほら、旦那。

  なんか言ってやれよ

大:めんどくせえなあ。

  そんな簡単に

  人生終わってたまるかよ

住:そうだそうだ、

  そういうことだよ

大:パッと終われりゃ楽だけどなあ。

  人生ってのは

  じわじわと枯れていくから

  やりきれねえんだよ

住:やなこと、言うなよ

十分歌いました、で、

届かなかったんです。

力不足です。

意外とさっぱりとした気分です

大:お前、そんなに歌、

  歌ったっけか?

一緒に散々流しで回ったでしょ!?

実はコンテストも

けっこう受けてました。

それに

大:で!?そこでお前は

  本当に歌を歌っていたのか?

そりゃ歌ってましたよ。

知ってるでしょ!?

大:コージ、俺は流しの端くれとして

  いつでもリクエストに

  応えられるように

  レパートリーだけは何千曲もある。

  だけどそれって歌か?

違うならなんなんですか?

大:たぶん、楽譜だな。

  俺の頭の中にあるだけだったら

  歌じゃなくて楽譜だ。

  俺の口から出て初めて

  それは歌になる、

  いや、音になる。

はあ?

大:まだ歌じゃない、音なんだ。

  メロディーだ。

  お前の耳に届く、

  まだ歌ではない。

  お前の心に届く、惜しい、

  まだ歌じゃない。

  いいか、お前が日々の暮らしの

  あれこれに打ちのめされて

  歯を食いしばっているような場面で

  お前の頭の中で

  いつかの俺が発した詞とメロディが

  鳴り響いたなら

  その時、初めてそれは

  歌と呼ばれるものになる。

  俺はそう思ってる。

  だからな、コージ、

  自分の歌が果たしてほんとに

  歌だったかなんて

  すぐには分からねえんだ。

  それは聞いた何十年もあとに

  やってくるかも知れねえんだ。

  十分歌ったなんて

  簡単に口にするな

だども…

誰に何をどう歌ったらいいのか、

もう分かんねえべしよ

大:なんだ?



人の気配に見上げると

階段上から

北野がやってくるところだった



北:そんなコージくんに

  とっておきの歌があります。



北野と大野は

「だいちゃん」「へーちゃん」と呼び合う、

かつての歌のライバルだった






北野と大野が揃い、

オキナワもやって来た。

場所はみれん横丁。

一気に気持ちが引き締まり

いよいよ終盤なんだと思うと

聞き漏らすまい、見逃すまいと

私は

一心に舞台を見つめていた

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

俺節 第二部【書き起こし⑧】 [∞舞台]


俺節 第二部 書き起こし⑧



北野家の座敷牢では

オキナワが長柄の箒を

ギターに見立てて

歌を口ずさんでいた。

俺節をラララで歌っている!



そこに北野がやって来た



北:いい曲だ



1人前の作曲家になったら

座敷牢から出してやると言う



北:ギターは好きか?

は?

北:箒を弾いてしまうくらい、

  ギターは好きか?と訊いてるんだ



答えられないオキナワに

畳み掛けるように北野が言う



北:もう一月か。

  何もすることのない座敷牢の中で。 

  でも何をしてもいい座敷牢の中で

  お前がしたことは

  歌を歌うことだったというわけだな。 

  自分がそういう人間だった

  ということを自覚しろ!

ヒマ過ぎたんだよ

北:お前は歌を作る人間だ。

  恐喝犯じゃない。

それを言うために

何日も監禁したのか?

どういうおせっかいだよ!?



北:北野波平はきさまのような

  負け犬を見捨てない。 

  なぜなら

  きさまのような人間のために

  演歌はある

はあ?

北:きさまを見捨てたら

  この俺が演歌を歌う資格がない

  って思ったんだ。

  オキナワ、俺はなあ、

  うれしいんだよ。

  お前が歌を、なんちゅーか



気持ちを

上手く言葉で表現できない北野は

座敷牢を壊す力を振り絞って



♪人生はワンツーパンチ、

汗かきべそかき歩こうよ♪



時に音が外れながらも

歌うような、話しかけるような

北野の熱い歌声は胸に沁みる、

心に響いてくる



とっつぁん、

俺、おっさんみたいなやつ、

もう一人、知ってるよ。

おもしれえやつなんだよ、そいつも

北:そいつの話も聞きてえがな。

  まずは歌を書け。



オキナワも感情を爆発させ

生き返ったようになった



北:オキナワ、かっこいいぞ。

  まるで俺ようだぁ






このシーンのセットは

座敷牢のみ。

北野とオキナワの

表情と言葉だけで芝居が続く。


北野を演じる西岡さんの、

なんと表現したらいいのか、

とにかく演技のすごさよ!



カゴツルベの時、

ヤスはことあるごとに

「西岡さんに教わった」を連発。

舞台初心者のヤスに

きちんと丁寧に

演技というものを教えてくれた方。

ヤスが心から感謝して

慕っていた。

その方とまた共演できたのは

見ていて感慨深かったし、

西岡さんが現役の演技巧者なのも

またいい勉強になっただろうなと思うと

このシーンの見事さは

忘れられない。




そして相対する福士さん。

これまた見事で。

声の抑揚やセリフの間が素晴らしかった。



もしこれがヤスだったら、

西岡さんの芝居に

”立ち向かっていく”のは想像できるが

”相対する芝居”になったか…

見てみたかった気もする

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

俺節 第二部【書き起こし⑦】 [∞舞台]


俺節 第二部 書き起こし⑦



コージは

戌亥、行代と一緒に

デビューで世話になる社長の家での

宴席に招かれていた。



社長は親の代から続く引っ越し業を

自分の才覚で大きくした人。

苦労話を延々と聞くのも

デビューのためなら仕方ない…

行代贔屓にも我慢できた。

お酌したとき、突然殴られたことも

リアクション勉強不足と堪えた。

デビュー曲を

「カブトムシの着ぐるみを着て歌え!」

という無茶な注文も


何でもやらせていただきます


元気な声で返事した。



だが、メインは

「行代のヌード写真集」

そう聞くと



何言ってるんだべ!?あんた

黙っていられなくなった。

コージの、心からの叫びなことは

津軽弁からも分かる



ほんとにいいんですか?

この間「本気でやる」って

言ったばっかりじゃないですか!?

こんな男のために脱ぐのが

行代さんの行く道ですか?



この言葉が社長の怒りを買い、

従業員につるし上げられてしまった。

がそれを振りほどき、

戌亥を指さして言う。



だいたい、

あんたが止める話じゃないですか?



コージは

行代と戌亥の関係に気づいていた



惚れた女でしょ!?

行代さんが「やる!」って言っても

あんたが止めるのが筋でしょ!?



行代に向かっては

それがやりたいことなら

何にも言いません。

それが5歳の頃から

こたつの上で見た夢なら

邪魔しねえべ。

だども



行:じゃあ、はっきり言うけど

 あんな歌、売れないよ

なら、

「次の曲、頑張りましょう」で

いいじゃないですか?

なんで脱ぐんですか?

流行りすたりの話をしてねえすよ。

惚れた腫れたの話ですっ!

どうなんですか?



よほど腹に据えかねるようで、

大きく手を動かしながら

強い口調ではっきり言い切る姿は

見たことのない姿だった



それに対して戌亥は

好きな女の夢の時間が続くように

魔法をかけ続けようと

必死になってる、と。



なんの話ですか?

行:きれいにお化粧してもらって。

  キラキラした服、着て。

  満員の客席でちやほやされて。  

  魔法の時間でしょ!?

  田舎の女の子が

  そうして魔法を掛けられて

  二十数年。

  時計の針が12時回っても

  まだ輝いてるためにはさぁ、

  ヘアの一つも

  出さなきゃいけないわけ!



行代に現実を叫ばれても

コージは簡単に納得できない



本当に魔法なら

そんな必要、ないでしょ!?

戌亥:じゃあ、呪いだな

呪い?

行:そうね、

  「幾つんなっても

  スポットライト浴びたい」

  っていう、

  そんな呪いにかかっちゃったの

戌亥:夢見る呪いだよ。

  こっちは呪われる覚悟でいるんだよ。

  着ぐるみ一つで

  奥歯噛み締めてるようなやつに

  邪魔されたくねえんだよ



行代と戌亥の語る現実に

コージは何も言い返せず、

社長の怒りも買ったまま。



行:あんたさぁ、踏み台にすら

  なれないんだね



心の行き場を失くし、

何をどう考えたらいいのか…

コージは

荒れ狂ったように

やみくもに暴れまわったのだった

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

俺節 第二部【書き起こし⑥】 [∞舞台]


俺節 第二部 書き起こし⑥



テレサが入管に連れていかれてから

コージは変わった



上手に2階建てがあり、

そこはコージの歌のレッスン場だ。

ナホ先生が弾く、

前シーンのアウトロを

コージが歌っていた設定で幕が開いた。




ナホ:ものすんごいよかったよ。

  ナホちん、もうぐうの音も出ません

行代:パー



クスッとくる小ボケが聞き逃せない(笑)



ナ:今の、サビのところだけ

  もうちょっとやって

引っ越しをするなら教えてよ


アカペラで少しだけ歌うんだけど

ビブラートがとっても良くて

惚れ惚れする声です♡



ナ:ああ、いい!まる、まる、白鶴~

まる!


白鶴の酒のパッケージが「まる」なので(笑)

ここは「おじゃる丸」とかもありました



ナ:最近、どんどん良くなってるよ

そうかな?それならいいけどさぁ

ナ:あら、訛りもすっかり消えちゃって

行:ねえ?歌い方も少し変えた?

おっ、分かっちゃった?

行:私は前のほうが好みだったけど

  なんかあったの?

より多くの人に伝えるためには

訛りなんてよけいなものですからね。

ナ:すっごいよねぇコージくん。

  一生懸命変わったんだから。  

  ねえ見て!これ、麻よ、麻!

  ヘップ!これ着て見せたって

はい


壁に掛けていた麻のスーツの上着を

コージは軽やかに羽織ってみせた



ナ:こんなの着るようなっちゃって。

  すっかり東京人よ。

  オメガトライブかと思った


ふふふ、オメガトライブ分かります、私。

解説無しでわかる年齢でよかった(笑)



行:♪前の背広はどうしたの?♪

行代さんもちゃんと練習してくださいよ。

行:頭痛いの、二日酔い



そこに社長の戌亥がやってきた



社長、行代さんが

全然練習、してくれないんです。

戌亥:練習が必要な歌じゃねえだろ



そう言うと

「出前を取ろう」と奥に引っ込んでいった



行:ねえ、どんなデビュー、

  想像してきた?

へ?

行:こんなんでいいの?

デビューはデビューです!

良いも悪いもないです。

ナ:やっぱりなんかあった?

なんつーか、背負うものが無くなって

身軽になった

ナ:それ、最近女と別れた男が

  言いがちな言葉だね

はっはっは、いやいやそんな

ナ:いいの、いいの。それでいいの。  

  そっちのほうがいいの

とにかく今は、

自分自分て集中して頑張ろうって

行:でもあんた、踏み台だって、私の。

えっ?

行:1曲当たったらコンビ解散。

  そういう算段だよ、戌亥は。

踏んづけられるのはいつものことだべ。

それでも行く道、

行くしかねえ!って気持ちです



東京人になろうとしても

心の底にあるプライドは

上京したころと変わりはなかった



行代も5歳の頃から

ずーっとアイドルの自分を

夢に描いたまま、

夢を諦めきれずにいるのだった



俺、歌ってる時の行代さんは

好きです。

パアーっと光ってて



歌ってる時「は」と言ったことを

行代に指摘され、

弁明しようと焦ると

津軽弁になってしまって

コージはしどろもどろ



津軽弁を直そうと懸命なコージ、

歌のレッスンに励むコージ、

そうやって何事も頑張るコージを

目の前にして

行代も本気を出して頑張る気持ちに

スイッチが入った






その頃、

オキナワは

北野家の座敷牢にいた。

北野からは何のお咎めもなければ

指示もない。

渡されたのは長柄の箒1本だけ。



テレサは

入管で取り調べを受けていた。



それぞれがそれぞれの場所で生きている

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

俺節 第二部【書き起こし⑤】 [∞舞台]


俺節 第二部 書き起こし⑤



一夜明け、

人の話し声でコージは目覚めた。

ランニングシャツとトランクス、

黒の五本指靴下姿だ。



へ?何ですか?

見覚えのない制服姿の男が二人、

室内にいた

なんだ?おめえたち

男:テレサさんだっけ?

  出入国法違反で

        強制送還だから




出かけていたテレサが

戻ってきたのを見て

コージが大声で言う



へ?あっ!?テレサ、逃げろ

私が呼んだの

へ?

自分で呼んだ



そう言うと買ってきたものを

取り出し始めた



これ、お米と缶詰と

レトルトカレー、

買ってきたから

分かんねえよ。何それ?

ここにいても

コージに迷惑かけるだけだから

何が迷惑よ?

どんな迷惑がかかるのよ?



むせび泣くコージに対して

テレサは毅然としている



行きましょ

男たちを促して出ていこうとする

迷惑だっていいよ。

テレサのいいも悪いも

全部背負うから

それがダメなの。

コージが私のために

何かするところ、

見たくないの

そんなあ

自分のためだけに生きて



出ていく間際、

テレサはネックレスを取ると

コージの手に握らせキスをした



ありがとう。

昨日のことは

いい思い出になったね。

ううう、テレサぁ



立ち去ったテレサを追い、

名前を呼びながら部屋を出たが

すぐに押し戻された



コージ!落ち着いて!

落ち着けねえべさ

もしも、

もしもこれからコージが

私を思い出してくれる時があるなら

その時はこの顔で思い出して!

悲しい時の顔を忘れてほしいの。



テレサは

呆然として泣くコージの

額にキスをし、部屋を出た。

が思い出したように戻り

壁を叩いて自分に気づかせると

一言、



売れてね!

コージ!

立派な歌手になってけろ

そうして本当に去っていった

テレサ

追いかけたが男によって

部屋に戻された



うわぁぁぁ

叫び声とも泣き声とも

つかない声をあげ

部屋の中を転げまわる…






♪『引っ越しをするなら教えてよ』


イントロの間も

悔しさ、悲しさがにじみ出ている。

仰向けになったまま、

左右に体をよじり、足で床を蹴る。



くすみかけたこの部屋で

テレサが握らせたネックレスを

掲げ見ている。


この部屋での日々を

思い出しているのかなぁ



過ごすときは終わり

両手で握りしめたネックレスを

額に当てる姿は

テレサを抱きしめているようにも思えた



今になれば夢のような日々

ネックレスを自分の額に当てる。

やはりネックレスは

テレサそのものな感じだ。

すごく愛おしそうで、

失った悲しみに満ちている



別れ決めたこの期にも

前かがみのまま、体を起こし

ドアのほうを向きながら歌う。


テレサを追い求めている感じが

両手に抱くネックレスの持ち方からも

ひしひしと感じられる



明日になれば

ネックレスを右手に収め、

左手は天に上げながら

膝立ちになって顔をあげる


明日…

これからのことを考えねば…

という気持ちになったのか!?



引っ越しをするなら

右手にネックレスを握ったまま、

両手を前に差し出すのは

「行先を教えてくれ」と

テレサに語り掛けているようだ



今は角が立つことも

まっすぐ正面を向いて

説得力抜群な歌い方!



後で話せる

ようやく立ち上がった。


テレサがいなくなったことを

現実として受け入れ、

一人で生きていくことを

よろめきながらも

覚悟した感じがある




2分ほどの歌のなかにドラマがある。

仰向けで歌うのから始まって

体を二つ折り、膝立ちと

到底、歌う姿勢として

万全とは思えない姿勢から

圧倒的な歌唱力、説得力で

歌い上げる。

見事な、

とても見応えあるシーンでした。




歌が終わるとアウトロが流れる中、

さっと暗転して上手に素早く走り去る。

30秒後には麻のスーツ姿になって

セットの2階に板付きで登場です。


初日に五本指靴下なのを見たときは

なんで?と思ったけど。

早着替えのための猛ダッシュや

何度もある乱闘シーンに

踏ん張りが効いて姿勢保持にもいい、

五本指使用に納得しました。

その後ライブツアーでも履いてたのには

ちょっとびっくりだったけどね(笑)

履き心地の良さにやみつきになった?



あと、この歌の時は

ランニングシャツとトランクスで

一人で舞台にいるので

ずっとヤスを見ていることになる。

そうすると……

日に日に痩せていくのが分かりました。

肩幅だけは変わらない、

でも肉付きが。。。

徐々にやせ細っていく。。。


それでも歌のパワーは変わらなくて。

それどころか

だんだん解釈が深くなって

コージその人になってる感じで。

どの回も安定した歌声のパフォーマンス…



痩せた体に歌のパワー、

あまりのアンバランスさに

”ヤスはこのまま死んじゃうのでは!?”

何度もそう思いました。

それくらいすさまじいパワーだった

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

俺節 第二部【書き起こし④】 [∞舞台]


俺節 第二部 書き起こし④



デビュー目指し、

戌亥の元でレッスンに励むコージ。

はい、先生。

分かりました、先生。

ナホ先生の言うことを吸収しようと

コージは一生懸命だった



そこに戌亥が寺泊行代を連れて

やって来た。

あぁ、コンテストの時に…

戌亥:そう、仲良くな。

あの…

コンビってどういうことだべか?



戌亥はコージとコンビを組ませて

デビューさせるつもりなのだ



デュエット?

したばってん…

だども、

だったらべつにオキナワでも…



おら、故郷(くに)の言葉も

この背広も恥ずかしいとか

おかしいとか思ってねぇべ。

  


だが、

コージが何と言おうと

行代とコンビでのデビューは

決まっているのだった





コージと別れたオキナワは

裏稼業に戻るも追い出され、

最後は

北野波平に引き取られ、

北野家で幽閉されていた





ある夜、レッスンを終え

コージがアパートに帰ると

部屋は真っ暗だった。

暗い部屋の真ん中に

テレサはポツンと座っていた



いたの?

なんで電気、つけねえの?

いいよ、暗いままに

なんかあった?

なんで?

暗い顔してるから

見えてないでしょ!?

声で分かるよ

コージも疲れた?

いや

ねえ、コージ

ん?

なんで抱かない?

なにを?

私を。なんで?

おかしいべ、

オキナワがいるのに

もういないよ。なんで?



コージが何も答えないでいると

テレサは立ち上がって

飲み物を取り出し、飲もうとした。

その時、意を決したコージは

テレサを突然抱きしめた



コージ、あっ、待って。

待って、こぼれちゃうから

そう言いながらも

二人は布団に倒れ込んだ



そして、コージは

テレサの胸に顔をうずめるが

テレサを買った男のことが思い出され

テレサから体を離してしまった



コージ?

ああ、なんでもねえ

そう言われても

テレサにはお見通しだった

Oh…私…汚い?

へ?

売春婦の体は汚くていや?

ずっとそれで抱かなかった?

はぁぁ、黙っちゃった

嫌なんてことは絶対にねえ。

それは本当にねえ

でも起たない



そう言われては

コージは何も言えなかった

いいんだよ、いいんだよ。

コージはデリケート。

だから頭ん中に浮かぶよね、

私がどんな仕事をしてきたか

情けねえ。

こんなに自分のチンポ、

情けねえって

思ったことはねえよ、おらは。

だってすっげえ抱きてえんだ、

おめえを。

このやろー、言うこと聞け



自分で自分を痛めつけ言う

抱けっから。

え?

チンポが無くても抱けっから。

おら、おめえのこと、

なんもかんも抱くから。

今だけじゃねえ、

過去も未来も全部抱くから。

抱けっから!

コージ…







このシーン、嬉しかったなぁ。

ヤスにはラブシーンのある役は

来ないと思い込んでいたので。

これで役の幅が広がった気がして

嬉しかった。



テレサが布団に倒れ込むところは

初日から大千穐楽までの間で

ずいぶんと解釈が変わったように思う。

最初の頃は「初々しい二人」だったが

テレサは百戦錬磨な仕事なのに対して、

コージは

青森から上京してきたばかり青年。

人生経験が違いすぎるのに

同じように「初々しい」ではおかしい。



だからか、

「コンテストに出なさい」

と言うのと同様に、

ここでもテレサはお姉さんだった

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

俺節 第二部【書き起こし③】 [∞舞台]


俺節 第二部 書き起こし③



いつものスナックに向かいながら

デビューのことを

大野に相談するコージ



大野:そりゃオキナワも

  そういう態度になるだろう。

だども

大:人の心の機微を読まないやつだなぁ



スナックに入ると

そこにはカラオケマシーンが置かれていた



一瞬店内は凍りついたようになるが

素知らぬ顔でコージが言う

毎度どうも、よろしければ1曲

大:ばかやろー、やめろ



付近の店がカラオケを導入したから

仕方なくだというママを制して

デビューの話を続ける



大:お前、

  成功するつもりでいるから

  後ろめたいんじゃないのか?

へ?

大:そんな保証、どこにもないんだぞ。

  お前と別れた方が

  オキナワには幸せな将来が

  待ってるかもしれねえ。

はい

大:そういう可能性も含めて

  あいつの将来を背負う覚悟が

  お前にあるのか?

はああ

大:無くていいんだぞ、そんなの。

  だから一人で決めろって話だよ

だども

大:だいたいなぁ、相談に来てる時点で

  華やかな世界に行きてえのが本音だろ!?

えへへ。確かにそういう気持ちもあるけど

後ろめたいまま行きたくねえんだからして

大:無理だよ

はい?

大:世の中、そんなふうには出来てねえ。

意味が分かんねえっす

大:本当に清く正しく美しく、

  何一つ正義を曲げず

  後ろめたさのかけらもなく生きて

  それで望んだものが

  手に入れられる世の中ならば

  演歌なんか必要ないんじゃないのか?

じゃあ…なおさら歌だけは

正直に歌いたいじゃないですか!?

大:そうだ!

  歌には絶対に正直でいろ。

  歌が、

  歌があればまっすぐに生きられる。

  逆に言えば

  歌にすがるしかねえんだよ、

  おれたちは。

  すがるのはオキナワじゃねえ

分かりますた。

大:そうか

テレサとも相談してから

大:はあ?

  お前、俺の話、聞いてたのかよ!?

へ?

大:お愛想!

ママ:今日、お代、大丈夫だから

大:餞別かよ、もう来るなってことか

ママ:そうじゃないけど…

大:そうだろうがよ!

  そうじゃないのか!?



自分の思いが通じない苛立ちから

声を荒げる大野だった



師匠、行きましょうよ。

師匠…

大:一人で帰れ

じゃあまた連絡します

大:もういい。

はい?

大:どうして俺を置いてきぼりに

  していくやつの相談に

  何度も乗らなきゃならねえんだよ!?



ありがとうございました

そう言って頭を下げるしかできない

コージだった



大:コージ

はい?

大:あいつが本気で必要なら

  また会えると信じて

  さよならをしろ

はい…



師匠ともオキナワとも離れることを

決意するコージ。

そのバックに流れる、

ピアノソロの『鳳仙花』が

物悲しかった






その頃、オキナワは

三人で暮らすアパートにいた。

ギターケースに荷物を放り込み、

部屋を出ていくつもりだ



さてと

ただいま

おお、おつかれさま

コージは?

さあ

ねえ

何?

邪魔かな?

え?

私、邪魔かな?

邪魔は俺の方だからよ

邪魔になりたくないから

なんで?

誰かの重荷になりたくなくて。

私、家族が重荷だったから。

私、ひどいよね。

ひどいけど…辛かったの。

いい家族だよ。

いやな人たちなら裏切れたけど

いい人なんだよぉ。

コージにも私のために

何かをがんばってほしくない、

自分の人生を生きてほしい。

なるほどねぇ。よぉく分かったよ。

今からすることが間違いじゃないと

改めて確信したわ

オキナワ…ギター

ギターケース一つに収まっちまう程度の

暮らしだったわ

待って、待って、待って

ただいま、あれ?

どっか行くのか?

コージ…



様子で察したコージ

へば



それには答えず、

オキナワは出て行った



コージ、オキナワが

分かってる!分かってっから

でも

一人じゃなきゃ

デビュー出来ねえって言われたから。

おら、デビューする!

デビューしておめぇを幸せにする

オキナワはどうするの?

オキナワ、仲間でしょ!?

そんなに背負いこめねぇ。

そんなに誰もかれも

幸せに出来ねぇべしゃ



自分の正直な気持ちを吐き出し

涙ぐむコージ



コージ、私…

テレサだけは離さねぇから!

おめぇがいれば、

おら、戦えっから。



涙ぐみながらも

テレサのためにも

デビューを目指すことを

はっきりと決意したのだった

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

俺節 第二部【書き起こし②】 [∞舞台]


俺節 第二部 書き起こし②



舞台はコンテスト会場。

まずはゲストの寺泊行代が歌ってる。

審査員は行代含め4名。



行代役の高田さんが歌が上手くて。

アイドルぽくないんだけど(爆)

とても上手くて かっこよかった 



司会者に促され

勢い込んでコージとオキナワ登場。

北津軽郡から来ました

『19の春』をバタやん調で



あたしがあなたに惚れたのは



ワンコーラス歌い終わると

万雷の拍手…

だが優勝は現役女子高生のよしこちゃん。

コネを使った出来レースだった…



出来レースじゃねえかよぉ

まぁ、次だべ、次

お前、そう簡単に次が来ると思うなよ

そうむきにならなくても

お前がそんなんだから

優勝できなかったんじゃねえのか

へっ!?

なあもうほかの人の歌、歌うの、

やめようぜ。

自分の歌で勝負してえよ。

オリジナル作ってよ、

俺たちの歌だよ!

それ、やりてえ



オキナワの提案に乗り気になるコージ。

そんなとき、そこに現れたのは

「お前たちに1票入れた」という戌亥。

「デビューしちゃおうぜ」と

スカウトに来たのだった。



オキナワ…

おおおお

きたべ、ついにきたべ!



一杯やりながら話そうという戌亥が

声をかけたのはコージだけだった



戌亥:ここからはビジネスの話なんでね。

  伴奏の者は遠慮してもらおう

え?

あの…オキナワは一緒に。

俺たちいつも二人で

肩を寄せ、仲良しアピールする

コージとオキナワだった



戌亥:いやいや、

  演歌で二人組はありえないっしょ

はい?

戌亥:聞いたこと、ある?演歌の二人組

でも…

戌亥:(大声で)ねえよ!

聞いたことはねえですけど。

でも、その…

上京して最初に知り合って

家に泊まらせてくれて

いつもギター弾いてくれて

銭こもおごってくれて

戌亥:いい友達だってことはわかった。

  でも

でも?な?

戌亥:で?

で?

戌亥:お前一人だったら

  優勝できてたんじゃねえのか?



三人の間に言葉はなく、

重い空気が漂った



戌亥:ややこしいのは苦手だ。

  二人でナシ付けてから

  改めて来てもらおうか!?

  じゃあな



オキナワと戌亥の間で迷うコージ。

どちらにも立ち去られ

途方にくれるのだった。






その頃、テレサは

サンドイッチにピクルスを挟む仕事中。

すいません、すいません。

なにとぞご容赦くださいませ。



ピクルスの位置が横着すぎて

たびたび注意を受けていたのだった。



働く仲間に助けられたのもつかの間、

テレサは

不法滞在を知る主任に

関係を迫られるのだった。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

俺節 第二部【書き起こし①】 [∞舞台]


俺節 第二部 書き起こし①



第二部は祭り会場のやぐらの前で

法被を着たコージとオキナワが

ドンパン節を歌っているところから始まる



これ、初日に見た時、

私はものすごく泣いた。

それからもなかなか慣れなくて(笑)

このシーンでは

毎回泣いていた気がする。



やぐらでマイクを持って一人で歌う…

あの頃夢見ていた景色に

10年以上経って出会えるとは…

松竹座に通っているころには

まさかこんな日がくるとは思ってなかったので

とっても感激だった


ヤス、頑張ってくれてありがとう!

何度もそう思った



ドンパン節に合わせて踊る人々の向こうから

流しの師匠の大野がやってきた。

この仕事を紹介したのは大野だから

ギャラからいくばくか、大野に渡す



大野:おぉ、よぉ、ちゃんとやってるか?

師匠、そりゃもちろん

大野:そっか

なっ!

大野:ギャラはもらっただろ?

  俺が紹介した現場だぞ。

(大野にギャラをすべて渡す)

  カラオケだの何オケだのって

  妙なブームになってるからな。

  こういうしのぎは大事にしろよ。

  ほんじゃ、行くわ

お疲れ様です

お疲れ様ですっ。あっ、あの…師匠



オキナワが何か言おうとしたが

大野は立ち去ったあとだった



どした?

次のコンテストのことだよ。

言えなかった

じゃ、別のコンテストに

ばかっ!

次はプロの審査員が入るんだぞ。

今まで荒らしてきた素人のど自慢とは違う。

優勝したらデビューだよ

まあな

そうなってから師匠に話を持って行っても

なんとなく居心地、悪いだろ

それな

デビューとなれば

師匠を追い越すってことだからな

デビューしたからって

流しより偉いってもんでもねぇべ

ばぁか、偉いよ



やぐら会場から舞台上手に歩くと

そこはコージとオキナワが

テレサと一緒に住むアパート前にたどり着く



でも流しだって

風呂のついたアパートに住める



オキナワがポケットからアパートの鍵を

コージに投げて渡す。

毎回見事に音も立てずに受取っていた。

落としたことは少ない



受取った鍵を

コージは指先でくるくる回しながら

部屋の前まできた



テレビもエアコンもないけども

ドアを開けてテレサが出てきた。

暑くて手には団扇を持っている

ステキな人もちゃんといる

コージぃ、遅かったねぇ

とにかく、俺はもう流しがいやだよ

オキナワ、エクスプラーゼ

お疲れ様なら、肩もむよ

いいよ、テレサだってへとへとだろ

hahaha、oh

今日も9時間、

ピクルス、ピクルス、ピクルスって

サンドイッチにピクルス、置いてたよ。

今日はピクルス、昨日はピクルス、

おとといはピクルス、明日は休み



ここは初日とはかなり変わった。

会話にいきなり「ピクルス」が出てきて

なんのことか分からなかった初日。

それがテレサの仕事のことだと

説明セリフが挿入され分かりやすくなった。

と同時にここは数少ないアドリブ箇所。



テレサが

「髪にピクルスの臭いが染みついてるから

嗅いでみて」と言うことも多かったなぁ



そうだ、ゆっくりしてるのね。

何?出かけるの?

ううん、部屋の中、暑いから

涼もうと思って

ああ



突然、部屋に戻るテレサ。

コージとオキナワは外に残されたまま



明日、休みだから浮かれてる



再び出てきたテレサは後ろ手に

何か隠し持って浮かれている

ちゃらっちゃちゃんちゃん、

じゃあーーん!

おお

おお

テレサが持っていたのは2本のビール

いいね、いいね、呑みたかったんだよ



だがテレサが1本を手渡したのはコージ…

さっさと呑むコージとテレサ…

気づいて



オキナワも呑むか?

いいよ

俺たちは二人で1本でいいって!

いい笑顔です



1本、受け取るオキナワ。

残る1本を巡って

じゃあ、お先にどうぞ呑んでください

テレサが呑んでるところが

見たいんだぁ

じゃあー、一緒に?

一緒に!

やっぱり外で呑んでくるわ!

なして?

なしてじゃねぇよ、ほら。

おめえたち、

乳繰りマンボ求めてんだろ。

はぁ?

いまだにテレサとパツ一、

決めてねえんだろっていう

いや、ちょっとそれは

今日こそ決めろよ、この童貞野郎

ああ

あ?

しょうべん…

は?

小便



コージは一人で部屋に駆け込んでいった



おい、コージ、ちょっと待て。

おい、お前、逃げるな、このやろー

何?けんかか?

大丈夫だよ

大丈夫じゃないよ。

コージ、歌に集中してないの、

私にだって分かるよ。

え?

その話しじゃないの?

そっちも大問題だけどよ

何?

次のコンテスト、

出ねぇって言うんだよ



コンテスト要項をテレサに渡す



え?

コージは出なくてもいいってさ。

「焦るなよ」って言いやがった。

焦って必死こいて走ってよぉ、

それでようやく世間の皆様と同じペースで

生きてられるのかと思ってたけどなぁ、

俺たちは



テレサは要項をオキナワに返す

読めない…



アパートの上を電車が走っていく。

オコナワがアコギ片手に歌いだした。

染み入る、いい声だなぁ

 


♪土方仕事で日が暮れて

ほこりまみれの汗をふく

急ぐ家路があるじゃなし

待ってくれてる人もなし♪



それ、いい歌だね

おお!うれしいね、

俺が作った曲だよ



♪しょんべんの♪

オキナワ、曲、作れるの?

なんだよ、いまさら知ったのかよ。

ほんとはコージにも作ってやりたいけどな。

無名の流しがオリジナル歌ってもよ



そこにコージが戻ってきた

いやぁ、しょんべん、飛び散ってまった

なんだよ

コージ、次のコンテスト、出なさい

へ?

賞金、デビューなんでしょ!?

両方持っておいで



テレサは要項をコージにつき出し渡す



別に出たくねえとは言ってねえよ。

オキナワは?

お前が出るなら師匠には

なんとでも言うよ

はぁい

はぁいって軽いねぇ

なぁに?

いいけどよ

は!?なんだかアイドルの人も出るべ。

見て、これ。特別ゲスト寺泊行代!



要項にアイドルの名前があるのを

コージは見逃さなかった


共通テーマ:日記・雑感